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小林よしのり
2016.5.3 06:40日々の出来事

「囚われの女たち」を見たか?


『囚われの女たち』というDVDを見た。

時浦くんから借りてたのだが、なかなか見るチャンスが

なかったのだ。

まずDVDのパッケージの写真が凄い!

なんという女体のケツ!見事だ。

エロ映画にしか見えない。これを借りて来るのは大変だろう。

 

何の話か?

ペルーの軍隊の「いわゆる従軍慰安婦」の話なのだ。

若い兵士たちによるレイプ事件の防止に、性欲処理をする

慰安婦たちの物語である。

どこの国だって、軍隊専用の慰安婦をこっそり作っているの

だなということを再確認させてくれる。

 

一人20分の持ち時間が与えられているのに、溜まり過ぎている

兵士たちが速い速い。

たった5分とか、2分とかで、抜かれてしまう。

そりゃあそうだろうなあ、こんなもんなんだろう。

 

しかし、慰安婦たちの明るいこと、これが南米の女性だから

と言ったって、実はどこの国でも似たようなもののはずだ。

日本人の左翼たちが、慰安婦をあまりにナイーブに被害者

onlyで仕立てあげているが、それなりのテクニックを

身に着けたプロにとってみれば、若い兵隊を昇天させること

くらい朝めし前の技だったのだろう。

 

この原作はなんとノーベル賞候補にもなったペルーの作家

マリオ・バルガス=リョサの小説『パンタレオンと訪問者たち』

である。

パッケージがあまりにも下品で、エロ映画としか見えないが、

実は内容はなかなか良い!

軍隊の批判、男の性欲に対する冷徹な眼差し、そしてあまりにも

美しい、グラマラスなヒロインの裸体!

わしだって・・この真面目と誠実一本槍のわしだって、こんな女が

いたら拒絶できない。

 

このDVDを借りる時には、「ノーベル賞候補の作家の原作ゆえに

借りまーーーーす!」と高らかに宣言すれば、借りやすいと思う。

男も女も見てみるとよい。

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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